身体症状症(身体表現性障害)
身体症状症(身体表現性障害)とは
身体症状症(身体表現性障害)は、頭痛や吐き気、腹痛、しびれ、疲労感などの身体症状があるにもかかわらず、内科や整形外科などを受診して様々な検査をしても原因となる身体的異常は見つからない状態のことです。
原因は明確にはわかっておらず、患者様の性格傾向(完璧主義、神経質など)、物事の考え方や受け止め方、ストレスを感じた時の対処方法などが影響していると考えられています。
まずは「身体的な疾患がない」ことを確認
身体症状症は、患者様が悩まれている身体症状を引き起こすような、身体的な疾患が存在しないことが診断の大前提となります。そのため、身体症状症を診断するには、心療内科・精神科を受診いただく前に、患者様がお悩みの症状を通常担当する科で検査を受けていただき、症状の元となるような疾患がないことを確認いただく必要があります。
実際のところ、身体症状症の患者様は、最初から心療内科・精神科に受診することはまれで、身体の診療科を受診した後に、心療内科・精神科を受診するパターンが多いです。
まずは「身体的な疾患がない」ことを確認
主に以下のような症状が長期間続きます。
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疼痛症状:頭痛、腰痛、関節痛 など
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全身症状:疲労感、倦怠感 など
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消化器症状:嘔気、腹部膨満感、腹痛、下痢 など
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循環器症状:胸痛、動悸、胸部違和感 など
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呼吸器症状:息苦しさ、のどのつかえ感 など
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神経症状:しびれ、めまい など
身体症状症の治療
身体症状症は原因や症状が多様であり、患者様が置かれている状況をふまえて適切な治療を考えていきます。
心理社会的療法
医師や臨床心理士と対話を重ねて一緒に問題解決の方法を考える治療法です。
患者様が抱えているお悩み、身体的な症状への気がかり、症状が悪化するきっかけや状況などをお聞きしながら、ストレスの対処法や不安を軽減する方法を考えていきます。
薬物療法
痛み(頭痛、関節痛など)がある場合や、症状に伴ううつ状態や不安に対して、お薬を用いる場合があります。