不眠症(睡眠障害)
不眠症(睡眠障害)とは
「寝ようとしても眠れない」「寝てもすぐに起きてしまう」「目覚めが早すぎる」「眠りが浅い気がする(熟睡感がない)」などが続いている場合は、不眠症かもしれません。睡眠の質の低下は、心身の健康に影響を及ぼし、日常生活に支障をきたします。また、うつ病をはじめとする精神疾患の症状の一つとして不眠症が現れているケースもあるため、医師が不眠の根本的な原因を探った上で、一人ひとりに合った治療を進めていくことが重要になります。ご自身の睡眠の状態に疑問を感じたら、お気軽にご相談ください。
不眠症(睡眠障害)の種類
●入眠障害
寝つきが悪く、眠りにつくのに30分~1時間以上かかり、それを苦痛と感じる状態です。
不眠症の中でも一番多い症状です。
●中途覚醒
寝つきは良いものの、睡眠中に何度も目が覚め、その後眠れなくなってしまう状態です。
●早朝覚醒
寝つきは良いものの、起きたい時刻よりも2時間以上早く目が覚めてしまう状態です。
●熟眠困難
睡眠時間は十分であるにも関わらず、眠りが浅く、目覚めた時にぐっすり眠った感じがしない状態です。
不眠症(睡眠障害)に伴う日中の症状
以下のように不眠症が原因で日常生活に支障が現れ始めたら、影響が大きくなる前にメンタルクリニックへの受診を考えてみましょう。
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日中にぼ~っとしてしまう
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日中の集中力の低下
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仕事の効率の低下
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活力や気分の低下 など
不眠症(睡眠障害)の治療
生活習慣・睡眠環境の改善
生活習慣や睡眠環境を見直すことで不眠の改善につながることがあります。
(例)
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規則正しい食事(就寝2時間前までに終える)
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寝る前のカフェイン、タバコ、アルコールは控えめにする
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適度な運動習慣
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寝る時の環境づくり(明かりを消す、室温・湿度の調整)
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就寝前の入浴
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夜勤が多く、昼に眠る必要がある場合の工夫 など
薬物療法
睡眠薬や睡眠導入剤を使用する場合は、不眠の改善効果のみならず、安全性を重視して薬剤の選択をおこないます。薬剤によって効き始めの時間や、作用時間、作用機序が異なるため、睡眠状態の確認をしながら、お薬の量や飲むタイミングを調整したり、違う種類のお薬を検討したりします。ご自身に合ったお薬を服用することで、質の高い睡眠を取り戻すことができます。
不眠症状が十分に改善した場合は、お薬を徐々に減らし(減薬)、最終的にはお薬を止める(休薬)を試みることが望ましいと考えますが、自己判断で急に服薬を中止することはやめましょう。主治医と相談しながら、計画的に少しずつ減薬していくことが大切です。
睡眠薬についてのよくある質問
Q 睡眠薬は一度使い始めると手放せなくなりませんか?
眠れるようになればお薬を飲み続ける必要はなくなりますが、自己判断で急に中止するのは危険です。主治医と相談しながら計画的に少しずつ減薬していきましょう。
Q 睡眠薬を飲み続けると効きが悪くなったりしませんか?
睡眠薬には多くの種類があり、中には耐性(長期に連用すると次第に効果が減弱する)や反跳性不眠(急に止めると全く眠れない)などの問題が生じやすいお薬もあります。そのため、長期服用の可能性がある場合には、耐性や反跳性不眠が生じにくいお薬を使用することや、眠れるようになってきたら、主治医とともに減薬や休薬を考えていくことが大切になります。服薬に疑問を感じたら、自己判断せず、医師に相談しましょう。
Q お酒を飲むと眠れるのですが・・・
睡眠薬代わりに飲酒するのはやめましょう。飲酒直後は眠くなりますが、数時間経過すると眠りが浅くなり、途中で起きてしまったり、眠りが浅くなる原因となり、不眠症が悪化する恐れがあります。